心にもあること

正直になることって難しい

【ネタバレあり】「NOISES OFF」レポ

どうも。

 

EX THEATER ROPPONGIにて行われていた舞台「NOISES OFF」を観て来た。

 

この作品のイントロダクションは以下の通り。(公式サイトより引用)

「NOISES OFF」は、イギリスの劇作家マイケル・フレインによって1982年に書かれたシチュエーションコメディ。この作品は作者自身が書いた別の喜劇を、彼が舞台袖から見ていた際、前(客席) から観るより、後ろ(舞台裏)から観た方がより面白く感じたことが誕生のきっかけ。
マイケル・ブレイクモアの演出により、ロンドンのリリック劇場で初演。開幕したその夜に大評判となり、短期間でウエストエンドのサヴォイ劇場へ移行、1987年までのロングランとなりました。イブニング・スタンダード・アワード最優秀コメディー賞を獲得。
N.Y.ブロードウェイでも1983年、ブレイクモアの演出によりブルックスアトキンソン劇場にて上演。翌年、トニー賞4部門にノミネート。また2001年のリバイバル版はトニー賞2部門にノミネート、ブルック•アシュトン役のケイティ・フィナーランが演劇部門助演女優賞を受賞する快挙となった作品です。1992年にはピーター・ボグダノヴィッチ監督により映画化(日本未公開、邦題「カーテンコール/ただいま舞台は戦闘状態」で映像あり)。その後もウエストエンド、ブロードウェイはもちろん、世界各地で繰り返し上演され、愛されてきた傑作です。
日本でもたびたび上演されてきた本作。今回演出を手掛けるのは今をときめく森新太郎。戯曲を鋭く緻密に読み解き、執念ともいえる演出で知られる森がこの戯曲をいかに調理するのか、乞うご期待!

 

喜劇の舞台作品の舞台裏を描いたシチュエーションコメディである。

 

登場人物は以下の通り。この作品は「舞台を上演する作品」なので、「役名」と「劇中劇の役名」が存在する。因みに「役名」はキャストと同姓同名の天てれ方式(天てれ方式とは)。

藤井流星…ロジャー・トランプルメイン役。プライドが高い若手俳優

羽野晶紀…ミセス・クラケット役。主演女優。天然で忘れっぽい。

平祐奈…ヴィッキー役。若くて未熟な女優。空気が読めない。

伊礼彼方…演出家。怒りっぽい。

小南満佑子…舞台監督助手。感情的で敏感な性格。

福本伸一…舞台監督。働きすぎ。どこかいつも抜けている。

葛山信吾…フィリップ・ブレント役、シャイフ(アラブの首長)役。暴力と血を異常に恐れている。すぐ鼻血が出る。何かあるとすぐに自分を責める。

紅ゆずる…フレイヴィア・ブレント役。明るく陽気で分別がある。この作品の良心。

山路和弘…泥棒役。初老でアルコール依存症。目を離すとすぐに隠れて酒を飲んでしまう。

 

作品中の舞台『ナッシング・オン(何事もなし)』のキャストの設定は以下の通り。

ミセス・クラケット…ブレント家の家政婦。
ロジャー・トランプルメイン…ブレント家の不動産屋。ヴィッキーと交際中。
ヴィッキー…税務署に勤めている。ロジャーと交際中。
フィリップ・ブレント…劇作家。海外在留による免税のためスペインで暮している。
フレイヴィア・ブレント…フィリップの妻。
泥棒ブレンド家に侵⼊する、70代の老人の泥棒。
シャイフ(アラブの首長)…ブレント家に興味を持つ財産家。フィリップの生き写し。

 

このように二重の設定を理解する必要があるのだが、上記の設定は公式サイトにも記載されており、公式サイトを見ていなくても作品を見るだけでこれらの情報はきちんと入っているので、予習無しでも問題ない作品だと思う。

 

公式サイト記載のストーリーは以下の通り。

舞台『ナッシング・オン(何事もなし)』本番前夜。深夜にまで及ぶ舞台稽古。役者たちはいまだ段取りも掴めず、舞台監督は連日の徹夜でふらふら。そこに呆れた演出家のダメ出しが飛ぶ。混沌とする舞台上……。はたして無事に初日を迎えることが出来るのか?
1ヵ月後の地方公演。役者同士の喧嘩が勃発。そこへ久しぶりに姿を見せた演出家。だが、彼はなぜだかこそこそとしている。複雑に絡まる恋愛模様が大変な事態を巻き起こしていく。
さらに2ヵ月後。いよいよツアーの千秋楽を迎える。舞台裏から役者同士が喧嘩する声が聞こえる中、アナウンスが流れ……『ナッシング・オン(何事もなし)』の最後の幕があがる……。

 

さあ、ここから物語のネタバレがあるので…と普段のようにあらすじを書きたいのだが、書けない。書けないのだ。というか、公式サイトのストーリーがほぼこの舞台のストーリーの概要そのものである。というのも、この作品のほとんどがWEST.やノンスタイル石田もびっくりの「ボケ倒し」で構成されており、所謂「場面転換」も殆ど無い。それこそ、幕の切れ目が場面転換に等しく、ストーリーの説明が困難なのだ。正直、こんな作品初めてで、私も戸惑った(笑)

1幕は前日稽古の様子、2幕は東京公演のセット裏の様子、3幕は福岡公演の観客側から見た様子を描いている。1幕で「ナッシング・オン」の正しい流れを観客に理解させることで、2幕、3幕で何が変わってしまったかが分かり、笑いが起こる。更に、2幕で一度舞台の裏側や演者同士の痴情のもつれを説明することで、3幕で観客側から見ても裏側の混乱を想像させられて面白さを助長できる。見事な構成だと思った。だから物語が終わりに向かっていくにつれて、どんどん笑いが大きくなっていった。個人的ハイライトは、2幕で満面の笑みで斧を振りかざす藤井流星。あと、両足の靴ひもを合わせて結ばれてスっ転ぶ藤井流星も面白かったわ。

 

キャストさんで印象に残ってるのは、紅さん。流石元宝塚トップスター、存在感が凄かった。あと平祐奈ちゃんめっちゃ可愛かった。

流星くんは、カーテンコールで眼鏡外してくれるんだけど、ただのイケメンでした(語彙の喪失)

 

すみません。レポは短いんですが以上!マジで久々にこんなに笑ったし、本当に、百聞は一見に如かずという言葉がぴったりなこの作品、この面白さは現地でいつか体感してほしい。

 

では。